『勝つための準備(2017.11)』それすなわち、備えあれば憂いなしということ。


またしても、いつもいろんな情報を提供してくださるダンディなおじさまに本を紹介されたので、レビューです。
今回、紹介を受けた本はこちら。


おそらく、私自身ならあまり手に取らない本です。
視野を広げていただいてありがとうございます。

著者

エディー・ジョーンズ

ラグビーイングランド代表HC
1960年、オーストラリア生まれ。母は日系アメリカ人2世。妻は日本人の日本語教師シドニー大学では体育学を専攻。1982年シドニー大学を卒業し、高校で体育教師となる。学校長を務めた後、1996年、東海大学ラグビー部のコーチに就任し、指導者としてのキャリアをスタート。2001年オーストラリア代表(ワラビーズ)のHCに就任。03年ワールドカップで準優勝。07年、南アフリカ代表(スプリングボクス)のチームアドバイザーに就任し、07年のワールドカップ優勝に貢献。12年からは日本代表のHCとなり、15年9月ワールドカップでの大躍進に貢献。15年11月からはイングランド代表HCに就任し、今年3月のシックスネーションズではチームを13年ぶりの全勝優勝に導いた。

出所:ゴールドマン・サックスが教えを請うた「世界一のラグビー監督」熱血指導法 - 特別対談 エディー・ジョーンズ×持田昌典 (2/2)

いわゆる「五郎丸フィーバー」のときの、ラグビー日本代表HCです。すごい人です。

ラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズとの対話 (Sports Graphic Number Books)


持田 昌典

1954年、東京都生まれ。77年慶應義塾大大学経済学部に入学。体育会ラグビー部に所属し、3年時には学生日本代表、4年時には副将を務めた。大学卒業後、第一勧業銀行に入行。ペンシルバニア大学ウォートン・スクールに留学。85年ゴールドマン・サックスへ入社。2001年から日本法人代表に就任。アジア人で唯一の米国本社経営委員会のメンバー。

出所:ゴールドマン・サックスが教えを請うた「世界一のラグビー監督」熱血指導法 - 特別対談 エディー・ジョーンズ×持田昌典 (2/2)

第一勧銀(現みずほ)には戻らずに、ゴールドマンサックスに行っちゃうあたりが、攻めの一手という感じですかね。そうゆう思い切った決断をしたいものです。

blogos.com
↑だいたいここにまとまってた。


印象に残った内容

今回の本は、徹底的に勝ちにこだわっています。
特に、以下の点です。

 ・勝つことを信じる
 ・粘り強くやり抜く
 ・努力しなければ自信はつかない

この辺りの文脈が垣間見えるところをピックアップ!


 

敗者を持ち上げるな(エディ)

惜敗とかいうが、負けは負けなので、その理由をちゃんと分析すること。

日本の指導者の多くは、メンバーとの信頼関係より規律に厳しく、欠点をしてきするばかり。
それでは、いい結果を生まない。

いくら惜しくても負けは負けですからね。
もしビジネスなら、生活できないわけですから。


自信をつけるためには、努力しかない(エディ)

自ら努力して得た自信は強い。
天賦の才だと思っている自信は、一度は勝てても続かない。
だから、努力をし続けることが大事。

確かに、仮に才能がある人がその才能に任せたプレーをしてても
そのうち負けてしまうという状況はよく見ていました。
(わたしもスポーツをやっていたたちなので)


「逃げない自分」をつくる(持田)

逃げないことを強く意識し続けることは、大変だけれど、
逃げない自分のほうが、逃げる自分より素敵だと気づく。

逃げグセは、とても危険な魔物です。
こいつに取り憑かれると、勝負できなくなります。
気をつけよう。

逃げちゃダメだ!
逃げるは恥だが役に立つ DVD-BOX

逃げるは恥だが役に立つ DVD-BOX

たまには逃げてもいいのか??


自分への悪い評価は素直に認める(持田)

360度評価では、たとえ一生懸命仕事をしても悪い評価を受けることがある。
でも、そこで感情的にならずに、真摯に受け止めることが大事。

それができれば、さらにもう一つ成長できる。

確かにそうですね。実は2017年の個人的な目標はそれでした。


(ちなみに、持田さんの若い頃の評価)

  • 手柄を独り占めする
  • レゲーション(人に仕事を任せること)ができない
  • 戦略性に欠ける

こうゆう上司っていっぱいいますよね。
でも、持田さんは、これらを真摯に受け止めて、改善に努めた結果がいまであるということ。
説得力半端ないです。。。


大きなチャンスは、大きなリスクの中にある(エディ)

何かを大きく変える時、誰しも躊躇する。
しかし実際は、そこには何の障害もなく、あるとすれば、
それは自分の心の中にあるに過ぎない。

ほんと、そう思います。
実際、これまでと違ったことをできない理由って、実は見当たらなかったりします。
すべては、自分次第だということですね。

リルラ リルハ

リルラ リルハ

「あなた次第でReal Life , Real Heart」という歌詞があります。タダそれだけ。


信頼とは相手に責任を持たせること(エディ)

人は誰でも、リーダーに自分が信頼されていると感じなければ、本当の意味での仕事をしません。

これ、深いです。
今の状況です。自分が上に立つ際には、こうならないようにしないと。


自分を変えるとは、何かを手放すこと(持田)

人は、何かにしがみついて生きています。しかし、それは意外にも、大きな可能性を押さえつけているのかもしれません。

前述の「あるとすれば、それは自分の心の中にあるに過ぎない。」という文脈と同様で、勤務地や家族の状況、自分の年齢や体力の問題などを言い訳にして、踏み出せていないだけです。

もしかしたら、今もらっている給料に中途半端に満足してしがみついている人も多いかもしれません。
そのままでは、何も変わらないということですね。


勝つと信じることから、すべてが始まる

ひたすらに必ず勝つと信じることを課す。信じる力ほど、強いものはありません。

安西先生みたいですね。
君たちは強い!」と言い聞かせることで、強いチームを作り上げました。
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スラムダンク勝利学

スラムダンク勝利学

実際、ラグビー日本代表南アフリカ代表に勝ったのは、まさに弱小だった湘北高校が優勝常連校・山王工業に勝ったときのようだった。


お金だけを目的にすると、何かが狂う(エディ)

日本人のお金を汚れたものとして扱う感覚は素晴らしいこと。お金はあくまで結果であり、評価の形。

それだけにとらわれると、本当に大切なことを失う。

日本人ってあまりお金の話をしたがりませんよね。
それの弊害もあるのでしょうけど、やっぱり大切なものはもっと別のものでしょう。

サラリーマンだけが知らない好きなことだけして食っていくための29の方法

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好きなこと系の本は溢れている


「好かれること」と「信頼」はまったく別のもの(エディ)

リーダーは、部下から尊敬されなければならない。尊敬されるのは、好かれることとは全く別物。

尊敬されるには、勝利や業績など、組織に何かをもたらさなければならない。

The シビアです。
確かに、リーダーってのは、大きな責任がありますから、これくらいを要求されるわけですね。大変だけど、やりがいはある。


低調な時は、インパクトのある人選を(エディ)

キャプテンを選ぶ際は、あえてこれまでのイメージを覆す選手を任命する。

そうすれば、周りも自分たちも、変わっていくんだという意思がはっきり伝わる。

この章が、一番印象に残ったような気がします。
何事も、本気で変える気があるなら、「お、変わる気がある!」と誰もがわかるような見せ方も必要だということです。


模倣をやめなければ、本当に強くはなれない(エディ)

あらゆる物事は模倣からはじまる。しかし、ずっとそのままだとコピーのままで終わる。結果、勝てないので、勝つには独自のアプローチが必要。

これは、耳をつまされる言葉です。
世の中に新しい価値を生み出すには、コピーでは無理ですからね。
肝に命じます。


おわりに

かなり、爆速で読んだので、漏れもあるかもしれません。
この本は、エディさんと持田さんの対話形式で、それぞれの項目が必ず4ページで収められているという秀逸な本だと思います。編集力がすごいですね。

とても、勇気が湧いてくる内容だったと思います。


相反する思想?

最近では、勝ち負けに対して、アレルギーのある人も多いかもしれません。
ゆとり教育の弊害かな?

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とは言っても、世の中にはあらゆるところに勝ち負けが存在し、それらから逃れることはできないのが現実でしょう。


(過去記事)
demacassette2.hateblo.jp