「日本の大企業の非イノベーション構造」に関する図解が納得感ありすぎる件
6月に入ったある日、Facebook上に、とある図が流れてきました。
図だけ拡大。
これ、めっちゃ的確やん!
さらに、テラモーターズの徳重社長が言及しているところにもポイントあり。
mirai.doda.jp
ところで、出所どこよ?
と思い興奮して調べてみました。
「日本の大企業の非イノベーション構造」について
調べてみたら案外あっさり出てきました。出所はこちら。
www.bizcompass.jp
2017年の記事ですので、最新というわけではないですね。
全文読むには、登録が必要だったのでがっかりです。
ま、本文より画像だけを確認したかったので、良しとします。
それよりも、先ほどの画像を調べているついでに出てきた、もっと面白い記事がありました。
www.projectdesign.jp
この中でも、とくに「社内ベンチャーが抱える問題」ってのが共感しまくりなので、一部を抜粋。
社内ベンチャーが抱える問題
特に自分に降りかかっている部分を抜粋します。
事業部vs本社問題
本社に置くと事業部から離れてしまって立ち上がるものも立ち上がらず、事業部に置くと現在のビジネスに引っ張られ短期志向になってしまう。
その通りです。どの部門においても既存の慣性を振り払うコトがなかなかできず、無用な労力を払うコトになります。しかも、それを嫌うが故に、部屋や場所を隔離するという工夫を講じますが、それがかえって周りの反感を買い、協力を得られなくなる可能性が高いです。
短期vs長期問題
短期で成果を見せないと打ち切られるが、短期に拘泥していると長期の成功は無い。
当然のように、これが降りかかります。短期で出せる弾をいくつ持っておくかもある意味戦略として大事なのでしょう。
トップの推進力と顔色うかがい問題
トップがリーダーシップを発揮しないと組織全体として本気の社内ベンチャーはできないが、トップがリーダーシップを発揮するとチームは市場や競争でなくトップの顔色をうかがうようになる。
この問題が最も担当者を悩ませるでしょう。リーダーは本当の意味での覚悟がなければ、下は本気で打ち込めません。しかもリーダーの本気の覚悟は、周囲は見透かしているので、本当に断固たる決意を見せないと自然消滅な気がします。
(スラムダンクより)
意思決定者=旧来分野のチャンピオン問題
社内ベンチャーの意思決定をするのは、技術部門のトップだったり役員による委員会だったりすることが多いが、組織で生き延びた彼らは定義的に強烈な過去の成功体験を持っているため、往々にして新しい事業の判断を間違う。また、その社内ベンチャーが本当に成功したときにはもはや会社にいないため、正しい認識を持つ誘因が無い。
過去の成功体験というのは、新しいことを加速するためには、実に足かせになるものなのでしょうね。自分の子供が「芸人になりたい!」と言った時に、「よし、試しに学校中を笑わしてこい!」と言えるかどうか。この例えが正しいかは別として、基本的に自分が未経験なことは判断できないのが人間のようです。
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予測屋問題
社内で上を説得する時に必ず聞かれるのは、「で、市場規模はいくらなんだ?」である。自分の頭で考えたことを言っても説得できるわけもなく、有名なシンクタンクなどの予測を引用することになる。 予測が外れても誰も検証しなので、そのシンクタンクはバラ色の予測を繰り出す。一つにはその方が予測本が売れるからであり、もう一つには既に成功した技術・商品の立ち上がりカーブにフィッティングして予測するからである。ほとんどの新技術・新商品は、立ち上がらないのにである。
この質問をしてくる人が多すぎて苦労しています。どこまでビビリが多いのでしょうか。だいたい市場規模なんて、答えが出ない問題に対して、無理やりフェルミ推定なんかを駆使して出してるわけですよ。それに対して、あーだこーだ言ってくる。さらに、内容は同じにもかかわらず、◯◯総研が出したデータは信じる始末。これなら、名義だけ借りた方がいいという感じですね。
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過剰期待&幻滅問題
スタートさせる時には過剰な期待があるものだが、期待が強いがゆえにしばらく成果が出ないと期待が大きかっただけに幻滅が避けられず、もう少し粘り強くやっていれば成功するかも知れないものまで、厄介もの扱いされるようになる。
これは、トップや周りがどこまで我慢できるかという問題でしょうか。やはり、最初に期待度が高かったプロジェクトは、トーンが下がってくると、初期の期待値とのギャップからかすごく魅力が下がったように思われます。しかし、絶対評価の目で見れば、トーンが下がった状態でも十分攻めたことをしている場合もあるはず。それが見えなくなるということでしょうか。
合議=尖ったものを通せない問題
その役員たちが合議でゴー・ノーゴーの判断をすると、無難な一見誰が見ても良さそうなものが通り、尖ったものは通らない。しかし誰が見ても良さそうなものはどの会社も手がけるので、必然的に競争上最も混み合ったところに出ることになり利益が出ることは無い。
結局は、尖ったものは尖った人でしか判断できないということでしょう。社内では、「それ本当に売れるの?大丈夫?優位性あるの?」と批判ばかりだったネタも、社外のコンテストに出すと優秀賞とか獲ったりしますよね。
これって、社内の人に見る目がないのか、社内にいる人では見抜けないネタなのか、という疑問が発生します。
おそらく、社外のコンテストで審査員をしている人は、数多くの成功・失敗事例を見ており、判断のものさしに多様性があるように思います。
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さいごに
なんだか話が脱線したのですが、根本的には「自分が経験したこと、経験しようとしていること以外は判断ができない」というのが私の結論です(とある人の受け売り)。
ですので、最初の図に戻るとすれば、「成功経験がないため判断ができない層」の中でも、ちょっと挑戦的なことを応援してくれる人もいるはずです。きっとその人は、自らもそういったことをやろうとしてつぶされたか、今でもそうゆうことをガンガンやりたいという人なのかもしれません。
とにもかくにも、会社や組織が向かう方向によって、挑戦の内容も異なります。自分たちがどういった方向性に沿った上で挑戦しようとしているのか、何をして欲しいのか(投資)、将来何で返そうとしているのか(リターン)、を明確に示せれば、いつか共感してくれる人は出てくるのではないかと信じています。
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