『トヨタ語の力』の中で、明日から使いたくなる印象に残った言葉たち。


ちょっとした仕事の山場を越えたので、久しぶりに読書タイムです。

少し間が空いたので、文字を読むということへのリハビリの意味も込めて、読みやすい本をチョイスしました(借りました)。

トヨタ語の“力

トヨタ語の“力" 部下を変える一言、現場を動かす一言


トヨタとかホンダとかソニーとかの本って、手を替え品を替え、よくありますねー。これは、本好きの先輩から借りました。

なんと、2017年7月31日発売の、発売後4日しか経っていないフレッシュな書籍です。
(と、借りたのは8月なのにレビューは9月になってしまいました。。。)

著者

桑原晃弥

1956年、広島県生まれ。慶應義塾大学卒。業界紙記者、不動産会社、採用コンサルタント会社を経て独立。転職者・新卒者の採用と定着に関する業務で実績を残した後、トヨタ式の実践、普及で有名なカルマン株式会社の顧問として「人を真ん中においたモノづくり」に関する書籍やテキスト、ビデオなどの制作を主導した。
主な著書に『1分間アドラー』(SBクリエイティブ)、『スティーブ・ジョブズ名語録』(PHP文庫)、『スティーブ・ジョブズ 神の仕事術』『運が開ける! 名経営者のすごい言葉』(以上、PHP研究所)、『ウォーレン・バフェット 巨富を生み出す7つの法則』(朝日新聞出版)などがある。

出所:桑原晃弥 | 人名事典 | お楽しみ | PHP研究所

この方は、様々な切り口で自己啓発系の著書を出せれているようです。



いわゆる「トヨタ語録」みたいなものなので、個人的に気になった(今時点で刺さった)言葉のみチョイスしてみます。


第1章 部下が「自分で動いて成果を出す」

第1章は、部下や仲間へのエンカレッジに関係する言葉のようです

04 君の仕事の目的は何だ?相手が喜べば、君も嬉しいからだろう。

自分はどこへ行くのか」「自分はどんな役に立つのか」が明快な時、誰もが知恵を出し、進んで動きます。

もし部下が受け身になったり手を抜いたりしているとしたら、仕事の目的と意義がわからなくなっているのです。

完全に当てはまってます。あ、後者の方に。今、私の仕事はどこに向かうべきか、はっきりわかりません。誰も指し示してくれないので、自分で考えてる次第です。

だから、苦しんでます。だって仕事は与えられた方が楽だから。

06 仕事は権力・権限ではできない。理解と納得によって進める。

これ、今の私には全くできてない部分です。なんにも納得できないまま適当に仕事をしています。上司にも私にも責任はあるでしょうね。
戒めです。


11 自分を超える部下を育てよ

これ、心の広さが必要です。

いいリーダーとは、たとえば部下との知恵比べで一本取られた時、傷ついたりしません。むしろ誇りに感じます。自分を超える部下を育てること、マネジメントが不要なほどの組織にすることがリーダーの最終的な役割だとよく知っているからです。

(中略)

自分のコピーのような人間、自分が使いやすい部下にしたい誘惑を断ち切ることです。

たぶん、普通にやると自分が使いやすいようなコピー部下を作ってしまうでしょうね。そうなった場合は、自分の心の小ささを噛み締め反省すべき時です。

12 部下の知恵は無限である

いかに部下や周りの人を信じられるか、ということでしょうか。

やはり、どうしても目上の人ってヤイヤイいいたがります。そして、自分も年下の後輩や経験が浅い人にはヤイヤイいいたくもなります。

そこをぐっとこらえて、いろんな人の意見に耳を傾けることの重要性を再認識しましょう。


第2章 「もう一歩先に」サッと踏み出せる

なにかを前進するための戒めです。

01 アイデアがあったらまずものをつくってみろ

よく、「おれはクリエイター気質だから」とか「どんどん企画が思いつくぜ!」みたいな人がいますが、その人が最後までモノにできるかどうかが大事です。

正直、なんかいいアイデア思いついた!というのは、あまりすごくなくて、それを如何に形にするかが大事だと思います。トヨタでもそれを言われているように思います。

06 まずは60点でいい。もとかく進めよう。

これは、前述の「とりあえず形にしてみる」に近い内容です。
いきなり100点を作ろうとすると時間がかかって、逆に機会損失になりかねないので、まずはラフでいいので進めてみようということでしょう。

10 指摘するだけの診断士ではなく、現場を改善できる治療士になれ。

評論家はいらない、ということでしょうね。
何か悪いところが見つかったら、それを治すまでやり続けるしか結果はでません。

「こんな打ち手がいいんじゃない?」とアイデアだけ言って去っていく人とは、ある程度距離を置きたいと思います。


第3章 失敗に対して前向きになれる

失敗って誰でも避けたいものです。でも、失敗しないとわからないことが多いので、それを受け入れましょう。

01 やる気のある者に挫折感を与えてはいかん。

これ、私が個人的に一番大事にしたい内容です。

とにかく、何事もやる気が全てだと思っています!
やる気がなくてもできるような仕事は、その人でなくても大丈夫なので、別の人に任せましょう。

逆に、誰もやったことがないような、壁が立ちふさがっているような仕事は、はっきりいってスキルや経験だけでは乗り切れないと思います。
たとえ若くても、スキルがなくても、やる気が本当にあれば、やってしまえるものです。

そうゆうやる気のある人の腰を折る行為は犯罪行為だと言っても過言ではないでしょう!!
世の中の40歳以上の人は、戒めてください。

03 失敗のレポートを書いておけ

これって、普通はやりたくない。でも、やっておくと10倍は得します。

06 止まるではなく止める

禅問答ですが、そうゆう判断ができるようなKPIやゴール設定をすべきだということでしょう。

10 頼れるのは自分だけだ。危機をバネにしろ。

「おれに勝てるのはおれだけだ」と黒子のバスケの青峰のセリフを思い出します。

つまり、自責で物事を考えないと身にならないということでしょう。



第4章 頭が「アイデア工場」に変わってゆく

何事も考え方次第で活かすことができるといことでしょうか。

02 プラスアルファの知恵をつけなさい

以下の3段活用が印象的。

言われた通りにやる奴はバカ
やらん奴はもっとバカ
もっとうまくやる奴が利口

言われたことに対して、うまくやることが求められます。

が、その一方で、それを評価してもらえるかがモチべ〜ションには関わりますよね。
これだけ工夫してうまくやったのに、上司は何にも評価してくれない、ではもう次は言われたことだけやっておこうという気になって思考停止になりますから。その点注意。


05 ゼロを一つ取って考えろ

これは、通常1億円かかる改善作業に対して、ゼロを一つ取って1000万円で実行できるよう考えろということです。
よく言われることですが、「10%改善せよ」と言うより、「ゼロにせよ!」といったほうが、知恵が出るということでしょう。

  • 金があると知恵が出ない
  • 金がないと知恵が出る

本当に金がないということは、生活する上ではつらいことですが、仕事の上ではむしろプラスに働くと思います。金があると本当に人間は思考停止になります。最近痛感します。

08 見つかるまで探せ

とにかくやり切れ!ということ。

13 せっかく不満を感じたのだ。それを満足に変えてみろ。

逆境をチャンスに変えよ、不満は成長のチャンスだととらえるということでしょうか。

そう理解はできますが、なかなか実行には移しにくいですよね。でも、やるしかないということです。

15 異論がなければ異論をつくれ。

多様な見方で、考えろということです。常に「これでいいのか?」を問い続ける癖をつけたいところ。

私は曖昧人間なので、「ま、こんなもんでしょ」と終いをつけたがります。反省。


第5章 「伝え方」「学び方」に革命が起きる

伝え方は確かに大事。

07 仲の良いケンカをしろ

これはかなりジレンマあります。というのも、言ってることは理解できるし共感できる。

「一度や二度の会議で決まるわけがない。みんなが言いたいことを言い合って、どんどん議論してもらうしかない」

仲良しクラブで手を取り合って意見を合わせるのではないということです。


12 自分の城は自分で守れ

以下のようなエピソードから来ています。

(クラウン開発の際のエピソード)
「自分たちで苦労しながら開発するのはカメの歩みに見えるが、技術は着実に向上する。国産化の方針は決してハンデにはならない。」

他力を頼れば、開発はすぐに進みますが、人が育ちにくいために早晩伸び悩みます。自力開発は、当初は時間がかかりますが、本物の力がつき、その後は大きく進歩発展する

昨今のオープンイノベーションブームとは真逆の思想かもしれません。しかし、実際のオープンイノベーションでも、実は肝心なところは自力開発をしていて、それを補完するための周辺技術を他者からオープンに集めている傾向があります。それによって、スピードを上げてより強いものが出せるというものです。

その部分を勘違いしている年配の方は、とにかく全部外部でやれよ」といった乱暴な思想を持ち始め、自力開発の大事さを忘れてしまします。すると、結果的に力のない若手に頼るのではなく、外部の実力者に頼ることになり、より人材が育たないということになってきているのではないでしょうか??

ちょっとした警鐘を鳴らしてみました。


第6章 改善が自然に「仕組み化」される

仕組み化を嫌う人もいますが、世の中の良いことのほとんどが仕組みで動いています。

05 「自分にしかできない」と威張ってはいけない

はい、反省。傲慢は全ての悪ということです。

俺にしかできないと威張ってる人間が一番ダメな仕事をしている。

自分の役割が不要になるほどの改善をすることだ。

07 増産体制を整える時、減産体制への移行も準備しておく。

始まりがあれば、同時にいずれ終わりがくるということ。

08 青写真を描くだけで満足するな

これはよくあります。特に理想論を語りたい上の方に顕著に見受けられます。
やりきることが大事だと。

09 改善を徹底すると改革に行き着く。

人を育てるときは、少しずつ目標を高くしていく。

例えば、
「この工程を直せ」→「この生産ラインを直せ」→「この工場を直せ」→「この会社を黒字化せよ」
といった具合。

確かにいきなり「この会社を黒字化せよ!」と言われても「無理!!」ってなりますから。


第7章 高い理想と手堅い商売が一つになる

やはり大きな理想を共有していないと一枚岩にはなれません。

01 いい車をつくろうよ

シンプルでいいですよね。ものづくりの企業にいる人は、こういったシンプルな志さえあれば続けられる気がします。

02 志ある限り苦労は報われる

これもいい言葉だと思います。

継続は力なり!にも近い。やはりいつか報われると信じることで人間は頑張れる気がします。だから、ダメになろうが反対されようが続けないと意味がないのです。がんばろー

06 勝つなら鼻の差ではなく周回遅れにする。

つまり圧倒的勝利を目指しましょう!

目標達成直後のリーダーの姿勢が組織の未来を決定します。新しい夢を示し、さらなる高みを目指すのです。
組織に、また同じようにすればいいという気分が生まれないようにします。ひとたび成功に甘んじると成長が止まり、組織が硬直化します。

さらに、自分たちがせっせと相手を出し抜こうとしている間、相手は寝ていると考えがちだが、それはあり得ないという指摘もされています。まさにその通りで、それに気づかぬうちにダラダラしていると、あっという間に差が開きます。


感想

正直、語録集の再編版感が否めないのですが、すらっと読めてよかったです。トヨタ系の著書はいくつか見てきたので、そのエッセンスが言葉として散りばめられていた印象です。今だからこそ思う共感ポイントも見えてきて、やはり自分が目指す世界を諦めずにつくれるように頑張ろうと思いました。

そして、いつか周りをギャフンと言わせます。

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