『GRIT やり抜く力』を読んで、とにかくやるしかないのか!と震える。


本屋でなんとなく目に止まった表紙とタイトル。少し古い著書ですが、平置きされていましたので気になって手に取ってみると、「まさに俺にはこれが足りないやん!」ってなって買った本です。

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

著者

Angela Lee Duckworth(アンジェラ・リー・ダックワース)
www.ted.com
ハーバード大学で神経生物学の学士号を取得した後、コンサルティング会社、教師を経て、ペンシルベニア大学で博士号を取得。現在は心理学者として活躍。
出所:【TED】アンジェラ・リー・ダックワース:「The key to success? Grit」を人生に活かす

結構いろんなところで記事にされていますね。
logmi.jp



GRIT(グリット)とは?

 直訳すると、「気概、闘志」みたいな意味があるみたいです。それを意訳して、「やり抜く力」としています。

business.nikkeibp.co.jp
(この記事は、この著者ではないようです。。。)


GRITスケール

 GRITスケールとは、その名の通り、その人のやり抜く力がどの程度あるのかを測る簡単なテストです。これまで大きな成功を収めてきた人は、このスケールが高いとされています。

実際にGRITスケールを測りたい方は、以下からどうぞ。
グリットテスト-「やり抜く力」を5段階で測りグリットスコアを表示

ちなみに私の今時点のやり抜く力は、3.0でした。パーセンタイル値は20%なので、アメリカ人の20%よりもやり抜く力が強いことになるようです。これは大してやる抜く力がないことを示しています(涙)
f:id:demacassette:20170530225318p:plain


やり抜く力を内側から伸ばす

 さて、GRITスケールが低かった私は「やり抜く力」が不足していますので、このままでは人生において大した結果を残せないのかもしれません。それは断言できませんが、この本によれば、世の中の成功者のほとんどがこのスケールが高い水準にあったとのことです。

では、どうやったら伸ばせるのか?次にその方法が記されています。


どんな経験が人の「性格」を変えるのか?

 
p126

(人々を数十年にわたって追跡調査した多数の研究結果によれば)
ほとんどの人は人生経験を重ねるにつれ、より誠実になり、自信や思いやりが増し、穏やかになることがわかっている。

・・・ほんとですか?そうじゃない人も結構周りにはいますけど。。。
まぁ、概ねそういった境地にたどり着くのでしょうね。そして性格が変えるには、環境を変えよ、と言ったことが書かれています。それは納得。


「意図的な練習」をしなければ上達しない

p169

質問者:「あなたがジョギングをしている具体的な目標は?」
回答者:「健康のため、ちゃんとジーンズを履けるようになるため、ってところでしょうか」
(中略)
質問者:「あなたが上達しない理由は、意図的な練習をしていないからですね。」

 これはなんとなく直感的に理解できることです。スポーツなどの練習において、毎日同じメンバーを相手に練習をし続けても、対外的な試合で勝てるとは限りません。もしくは体力強化にしても、毎日同じ距離を同じペースで走り続けても、その程度の体力しかつきません。(体力維持が目的ならその方が体の負担が少なくて済むかも)

 このように、仕事においても、毎回同じようなことをやり続けるのは、ルーチンワークとしてこなしていき慣れてはいきますが、それ以上上達することはあり得ないということです。

ルーティーンと言えば五郎丸歩


 やはり、仕事でも「このプロジェクトをやりきったら、次の大きなプロジェクトに挑戦したい!」といったモチベーションがある人とそうでない人がいると思います。野心家的な人は、どんどん目の前のプロジェクトに挑戦していき、さらに自分のできる範囲を増やしていこうとします。

 こうしたことをここでは「意図的な練習」と言っているのだと解釈しました。そして、やり抜く力の鉄人達は、次の3つの流れで意図的な練習をし続けます。

  1. ストレッチした目標(少し高めの目標)を立てる
  2. しっかりと集中して、ストレッチした目標達成を目指す
  3. 改善すべき点がわかったら、うまくできるまで何度でも繰り返し練習する

 これは、よく自律型人材などの要件としてでてくる項目に似ていますね。
自律型人材|自律型人材とは|事業概要|人材育成・組織能力の開発を支援するNTTラーニングシステムズ

どんな企業、どんな組織でも求められる要素だということですね。でも実行は難しい。。。


これらを実行していくには、ルーチンワーク化(日課)にすることが推奨されています。このブログ更新作業も、いつも気分のまま更新作業をしていますので、頻度がまちまちになるという問題が起きています(> <)

もしかしたら、「火曜日と金曜日の夜1時間は、ブログ更新に時間を裂く!」というルーチンワークが確立されれば、PCを開く行為も億劫ではなくなるのでしょうね。


「もう一度立ち上がれる」考え方をつくる

 人間、誰しも挫折はつきものです。大きなことを成し遂げようとすればするほど、挫折の可能性も高くなるはずです。ここでは、そういった状況を打破するための考え方を一部抜粋。

悲観主義と楽観主義

p233
 楽観主義かどうかを判断する簡単なテストです。

次の状況を想像して見てください。人からやってほしいと頼まれた仕事がありますが、ぜんぶ終わりそうにありません。では次にその主な原因を想像してください。どんな原因が頭に浮かびますか?

ここで、もし想像した原因が、一時的であり、特定的であるかを判断します。楽観主義者と悲観主義者で以下のように考え方が異なります。

  • 楽観主義者:「時間配分を間違えた(一時的)」、「気が散ってしまった(特定的)」
  • 悲観主義者:「自分は何をやってもだめだから(永続的)」、「意気地なしだから(不特定的?)」

だそうです。ここはなんとなくしっくり理解できませんでした。特に悲観主義の場合の不特定的の扱いがよくわかりません。

しかしながら、俗に言われる楽観主義者は、細かいことにとらわれず、大きなことに向かって突き進むような、根拠のない自信のある人を指していることは間違いなさそうです。

やり抜く力の鉄人は、挫折や不安を楽観的に捉える楽観主義者が多いということで、気持ちとしては楽観的においておく方が健全と示唆されています。


固定思考と成長思考

また、やり抜く力を育むためには、自身の考え方にも変革が必要とのことです。

  • 成長思考:人は変われる、成長できると信じている。
    それゆえ「挫折しても努力すればきっとうまくいくはずだ」と考える
  • 固定思考:人は変わらない、生まれ持った才能がすべてだと思っている。
    それゆえ「挫折に対して、自分は能力がない人間だ」と思い込み落ち込む

 このように、自分自身が変われないと思っている人は、きっと一生変われないでしょうし、他人を指導して成長させることも難しいでしょう。やはり、きっと成長できる!と信じ抜くことも大事ということですね。

それが大事?完全版?

それが大事?完全版?



「やり抜く力」を外側から伸ばす

やり抜く力を伸ばす効果的な方法

賢明な育て方

 ここには、子供に対する接し方が記されています。要は、できた!という結果を褒めるのではなく、頑張ったプロセスを褒めよ、ということです。これは子育て本にもよく書かれていることですね。この辺りは共通項だということです。

p285に、賢明な子育て診断テストなるものが。
thebluelabo.net


課外活動を絶対にすべし

 「大変」なのに楽しめる」唯一の方法 という節があります。課外活動ってまさにそれです。課外なので、やってもやらなくても学校の単位や仕事の業績には全く影響しません。それでもやるってことは、好きだからです。それしかないですよね。

p300

  • 「2年以上」「頻繁な活動」をした子は将来の収入が高い
  • 「1年以上継続」「進歩」を経験した人が成功する
  • 最後までやり通すことが決定的要因だった
  • 複数の活動を最後までやり通す

このように、単に課外活動をすればよいのではなく、途中で辞めずに2年以上続けなさい!ということです。これは学生にはわかりやすいのですが、社会人に適用しようとすればどの程度変わるのか、少しアレンジは必要でしょうね。

ただし、社会人が行う課題活動(業務外の勉強会参加、NPO、ボランティア参加、サークル等)というのも、かなり良い効果があると思っています。業務に支障がない範囲で、実施されている人も多いのではないでしょうか?

人生が変わる2枚目の名刺~パラレルキャリアという生き方

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人が大きく変わる「もっとも確実な条件」

 さいごに、やり抜く力を伸ばしてもらうために、どういったことが必要なのか記されています。わかりやすい項目だけ抜粋します。

  • やり抜く力の強い集団の一員になる
  • 偉大な選手になるには、偉大なチームに入るしかない
  • 徹底的なコミュニケーションが人を変える
  • ささいなことでも最善を尽くす

他にもありましたが、重要だろうと思われるかつ心に響いたものを抜粋しました。
これ以外に印象に残ったのが、次の項目です。

「ごほうび」だけではうまくいかない

p353

テストでオールAをとったら、好きなゲームを買ってあげる。(正確にはすでにゲームは買っているが、ラッピングされた状態のまま。オールAを獲得したら、ラッピングを破ってもいいという約束)
しかし、彼はスランプに陥った

 一体なぜスランプに陥ったのか?? それは単にごほうびを目当てに頑張るという気合いだけではなく、オールAを取るために必要な具体的な方法を知ることだった。つまり、「指導」が足りなかったということです。

 この節は、文章的には少ないのですが、私にとっては印象に残りました。人はごほうびがあれば、ちょっとやる気も出て頑張ろうとはしますが、いざやってみると、何をしていいのかわからなくなります。それは、自分が未知の領域に挑戦しているから当然といえば当然の壁です。

 そこに、完全に丁寧なわけではなく、方向性やヒントを指し示す指導が入るとどうでしょう。こうゆう方法もあるかな、こんな方法が自分に合っているかな?と、いくつか試行錯誤をでき始めます。そこからようやく、自分なりの解を探し出し、どっぷり努力ができるというわけです。

 このことは、新しい仕事をどんどんやっていく上で、かなり無視できない要素でしょう。過去のやり方に頼っていては、いつまでたっても進歩はないですから、古い世界の住民です。それを打破していくには、自ら挑戦するのも大事ですが、ある程度上層のアドバイスや先人の事例を参考にすることも必要です。もっとも効果的なのは、相談できるメンター的存在がいるかどうかかもしれません。

 要は、気さくな先輩です。この存在の有無で、自分が考え、ぶつかっていく心理状態になれるか、かなり変わってくると思います。ですので、自分は、そういった存在になれるよう努力し、そういった立場になる時が来たら、率先してそういった態度を取履帯と思います。いつになるやらですが。。。


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購入日:3月16日
読了日:5月12日