『コネ持ち父さん コネなし父さん』を読んで、名刺コレクションは無意味だと身を引き締める思い。


なんか最近よく見るタイトルシリーズですかね。今回は、何かのついでに購入した本を一気読みしました。
コネ持ち父さん コネなし父さん 仕事で成果を出す人間関係の築き方

別に「コネ持ち父さんになりたいぞ!」という強い意志があって、手に取ったわけではないのですが、最近は会社外でのネットワークが広がりつつあって、どうゆう整理をしたほうがいいのか、多少気になっていたところでしたので、読んでみようと思ったわけです。結論から言えば、それほど深く悩むことはありませんでした。自然体で良さそうです。

似たようなタイトル付け?

改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本)

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今回は、本文引用を極力抑えて、端的なコメントだけにしてみました。

直接たくさんの人とつながらなくていい

 この本で一貫して比較されているのは、以下のような人物です。

コネなし父さん 手当たり次第、交流会やパーティに顔を出し、名刺交換に明け暮れるお父さん
コネ持ち父さん 目的を持ってなんらかの会には顔を出し、深い付き合いができそうな人に集中的にアクセスするお父さん

タイトル通りなのですが、とにかくコネなし父さんは、情熱が空回りするタイプのようです。こうなるとつらいですね。そして、「直接たくさんの人とつながらなくていい」とあるように、直接深い付き合いをたくさんしようと思うと、人間には限界がありますので、様々な方面にネットワークを持っているようなハブ人間と深く付き合っておくほうが良いということです。

異業種交流会の落とし穴

 〜交流会ってのは、参加すれば何かあるだろうという想像が働いて、そそくさと参加してしまいがちなものです。私も昔はよく節操なく行ってましたが、家族を持つようになってからは、時間的な制約もあり、かなり目的を絞って参加するようになりました。

 この本の中でも、異業種交流会で、やたらめったら名刺交換すると、結局次の日には顔を忘れているという罠があるとされています。そこで、参加するとしたら、事前に参加者の想定をしておきつつ、自分の目的を共通の人や自分が得たいと思っている分野の人に絞って接触することの方が良いということです。



ターゲットにロックオン!

 前述の内容そのままですが、いろんな交流会、パーティなんかでは、集まる人数が多くて、一体どの人にアプローチしたらよいかわかりません。これをさけるために、あらかじめロックオン対象を定めておけば、余計な悩みや迷いなく、本命の相手とじっくりとお話ができる可能性が高まります。

 最近、私も自然と意識するようになりましたが、これを機にさらに意識を高めたいと思います。

バカだと思われても、覚えられないよりマシ

 これは度胸です。質疑応答の際に、真っ先に手を挙げることができれば大丈夫。よく上司や先輩の方と講演会に行って、「ま、この話はわかりやすかったな」とか「いまいちうちでは適用できないな」といった感想だけ持って帰る人もいますが、それでいいのでしょうかね?という話です。

(関連)

稚拙に友達申請を出さない

 酔っ払うとつい友達申請しちゃうという大学の先生がいましたが、それは例外としても、Facebookのような手軽なツールには、それなりのリテラシー(活用する能力)とマナーを備えましょう程度の話です。

断りの流儀

 これらは、なんとなく常識の範囲、当たり前の世界のような気もしますが、意外とそれができない場合もあります。肝に銘じます。

断るなら早いほうがいい

幹事の身になってください。当然です。

欠席をインターネットで公開投稿しない

参加する人の身になってください。盛り下げる発言をあえて公開する必要はないでしょう??

ドタキャンは御法度

幹事の身になってください。当然です。次誘いたくなくなるブラックリストに載ります。

参加する会合は、7:2:1の比率で

コネなし父さんは、仕事が終わらないだのの理由をつけて、誘いを断ることもあったり、逆に手当たり次第交流会には顔を出したりして、空回りしていくのですが、コネ持ち父さんは、会合の参加に対しても明快なスタンスをもっているようです。

  • 7割:自分が幹事の会
  • 2割:招かれる会(外部)
  • 1割:招かれる会(所属組織)

こうみると、コネ持ちとうさんは、会社の飲み会にはほとんど参加していない人なんでしょうね。自分が幹事の会はきっと社外の会合なので、9割は社外のコネクションづくりに精を出しているということになります。確かに、会社の飲み会ばっかり言ってても居心地はいいけど、新しい話には展開されないのは目に見えてますからねー。自分がどんな比率なのか、計算してみる価値はあるかもしれませんね。


誘い上手な文章のツボ

 自らが企画した会には、多くの方が参加して、会を開く目的を達成したいものです。そのためには、案内文にも気を配ろう!という話。案内文では、自分目線でなく、相手目線での誘い文句にすることが大事とのことです。

例えば、こんな文例

「普段お世話になっている〜さんに、ぜひお越しいただきたいので、」

「ぜひ〜さんに、会っていただきたい〜さんもお招きしておりますので、」

「このテーマを考えたとき、真っ先に頭に浮かんだのが〜さんであり、」

確かに、こうゆう文が入っている案内文ならちょっと普通とは違うと思えます。

断られても次につなげる

誘う中にも、断られてもいい余地を残しつつ、ただ断られるだけでは終わらない工夫をすると良いようです。

「かなう、かなわないにかかわらず、引き続きよろしくお願いします。」

「ダメでもともとのお誘いですので、決してご無理なさらないでください。」

かつて、私が会社内に送った誘い文句としては、
「こういった機会は、普通にしているとなかなかないと思いますので、」
だったのですが、これは相手目線担っていたのでしょうか。それが効いたのかは不明ですが、50名に送信して、レスポンスがあったのは、4名程度でした。その他に、狙い撃ちして個別に誘った人は5名程度で、いずれも予定が合わず断られています。この5名は、次の誘いにも前向きに考えてくれる気はしましたね。結果的に、参加してくれた人は5名だったので、1割のヒット率?といったところでした。これは良い数値なのかどうかは不明です。

マタイ効果

また行こうか、ではありません。

「好機に恵まれた人ほどさらなる好機に恵まれやすくなること」だそうです。
これ、経済学のモデルで、"Rich get richer"という考え方があったように記憶していますが、ほぼ同じ意味ですよね。ようは、仕事ができる人にいい仕事が集まるという構図です。

(関連)

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http://www.fps.chuo-u.ac.jp/e/JJPC/jjpc_vol20_01.pdf


固有名詞で仕事をする

これは言葉通りで、組織名や肩書きではなく、自分という固有名詞で仕事ができる人材になり、自分の価値を上書きしていくことのようです。実は、私が数年前からこだわっている部分ですね。といっても、会社での肩書きはないんで、これにこだわるしかないんですけどね><

例えば、「◯◯といえば、〜さんだね!と言われるようになること。」です。その人の個性というか色というか、「あの人に聞けばきっとわかる」といった印象が付き始めると、仕事も舞い込んでくるように思います。

(関連)

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ビジネスは人、人、人

おや?「ビジネスは人、モノ、カネ」という言葉が通説なのではないかな、と思うところですが、コネクションの本なので、そこは人が中心というわけです。

物や金で人を動かそうとすれば、"手抜き"が返ってくる。
信頼で人に動いてもらおうと思えば、"おまけ"が返ってくる。

つながり 社会的ネットワークの驚くべき力

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さいごに(個人的所感)

 ほんの構成としては、とても読みやすかったですね。ポイントとしては、むやみやたらに友達探しせずに、自分に見合った人や共感を得たいと思う人、協力したい人といった目的に絞って友達探索すべし!ということかな、と思います。その手段としては、現代は便利なソーシャルツールがあるので、駆使できるものは駆使しましょうね。でも、リアルなつながりはおろそかにせず、本当に深い付き合いの人を確保しておくのが大事、といったところでしょうか。

 あとは、経済物理学のモデルの「small world」みたいに、ハブになっている人に出会えれば、世界にアクセスできることを利用して、無理に自分だけでネットワークを広げる必要はないということも確認できました。

スモール・ワールド現象 - Wikipedia
gigazine.net



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