シムシティをやってみた(2) 〜現実との比較


以前の記事から、約10日経ちました。
こんなに成長しました(レベル28)
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シムシティ上でレベルが上がると、より高度な施設を建設することが許されます。(ゲームのルール上、それが解禁されるイメージ)
レベル上げは、「住宅(街区)を建設する→アップグレードする」を繰り返して経験値を貯めるとできます。住宅街区をアップグレードすると、最初は30人くらいしか住んでいなかった街区に、高層アパートメント(日本ではマンションと呼ばれている)が建ち始め、4回くらいアップグレードすると、最終的には3000人くらいが住んでいる設定になります。
3000人が住めるマンっしょんって言ったら、1フロア当たり20世帯住んだとして、4人家族だけだったとしても、3000人/(20世帯*4人家族)=37.5なので、38階建てくらいになってきますね。ま、妥当と言えば妥当なのかな。
そんなことを考えつつ、まぁ昔からよくできたゲームだと尊敬の念は絶えません。なのですが、敢えて強いてシムシティと現実との比較をさせていただきます。
 
ゲームなので現実とは違うのは当たり前なのですが、どの程度乖離していて、どの部分が現実的なのか、といった視点でざっくり観察した結果を記します。
 
1.区画整理は自由自在!
  シムシティでは、下のキャプチャ図のように、住宅やら商業施設やらを自由に動かせます。一応、建物が道路に面していること(接道条件)は必須になっていますが。
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 これは現実ではほぼあり得ませんよね!不謹慎かもしれませんが、津波や台風などで一気にまちが壊れてしまった場合は、その限りではないでしょう。が、その場合でも、市長の思うがままにまちを創ることはできません。地元住民や関係各所の意見聴衆は必須事項です。ま、どっかの大企業なり資産家が買い占めた土地で、資金が有り余っているのなら話は別ですけど。
 
 ゲームの話に戻りますが、ゲーム内では用途地域もありませんので、住宅の隣に工場建ててもOKです。現実ではそんなことしたら住民から反対運動が起こりますよね。ここはきっちり再現されています。次へ。
 
2.外部不経済はきっちり再現
 外部不経済とは、その施設や行動が周囲の直接関係のない人に不経済(悪影響)を及ぼすことを言います。例えば、下に示すゴミ処理施設などはまちにとっては必要なのですが、周囲の人にとっては決して歓迎されない。悪臭や煙などで不利益を被る可能性もあります。そういったことは、シムシティでは結構繊細に、かつ現実的に取り扱っている気がします。
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また、外部不経済は、コモンズの悲劇とかNIMBY(ニンバイ、ニンビィ)とかと非常に近い概念だと思っています。特に私は個人的に、NIMBYという響きが好きなので、普段から多用しています。

"Not In My Back Yard"の略で、「まちや環境にとって必要だとはわかっているけど、自分の裏庭にはやめてくれ!」というある意味自分勝手な主張のことを言います。これは人間が人間らしく生きるためのある種必要なエゴなのではないでしょうか。現代にもこのような議題はたくさんあって、なかなかすぐには解決できない部分ですね。シムシティを通じて、改めて難しさを感じさせられます。

 
3.公共サービスの守備範囲は再現
 ここで該当する公共サービスとは、エリアが必要なものを指します。シムシティでは、消防、警察、病院です。下の図は、ある消防署が対応できる範囲を示しています。赤いところは、それが不十分なところ、新たに消防署を配置するか、大きな消防局にするか、住宅を配置し直すか、など対策は様々で市長の手腕が試されます。
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基本的に、この点も現実とかなり近い概念でゲーム設定されていると思います。消防=安全・安心、警察=治安の良さ、病院=健康維持・予防、など現実的にも必要な施設ですので、最低限のインフラとして理解できます。ゲーム上で、上記のように住宅街区が赤い状態が続くと、その街区の住民の満足度が下がり、廃墟が増えて人口が減ってしまいます。人口が減ってしまうと、住民税が減ってしまうので、財政的に厳しくなる=ゲーム的に面白く無くなるということになります。
 
ゲームを楽しく進めていくには、住民税を上げたいところです。そこで、最低限のインフラを確保しつつ、次に示す人口増加要因となる施設建設へステップアップしていきます。
 
4.人口を増やすための施設はいろいろ
 ゲーム上でまちの人口を増やすには、住宅街区のアップグレードだけでは頭打ちになります。そこで、住宅街区に寄り添うように、人口増加が見込める施設建設という手段が設定されています。
例えばビーチ。
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例えば交通利便性向上。
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 あとは、娯楽施設(ホールやスタジアム)、シムシティの代名詞・カジノがあります
レベルが上がると、使えるようになりますので、これから試していきたいところです。
 
 ここは、現実と一部違うところがあるのではなかろうかと思います。確かに交通の便が良くなることは人口増加に影響を及ぼしますが、カジノや娯楽施設はむしろ避けられる可能性もあります。この辺りはモデル化、ゲーム化する際に決めにくいところだろうなぁと思います。あとは人口増加の限界値も本来はあるでしょう。例えば、周囲にスタジアムがあって人口が20%増加する効果が得られたとしても、その住宅街区にはそれを受けられる敷地やボリュームがないということです。
 しかしながら、ゲームですのである程度ざっくりモデル化しないといけないという結果が現状の設定なのだろうと思っています。
 
5.最後に
 まち全体の公共サービスが行き届いているのかという状態確認は、以下のような画面で確認できます。
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これは現実にあったら嬉しいでしょうね。
 
と、とりあえず思いつくままに書いてみました。次回もあるかも