いつかギャフンと言わせたい

平凡な企業研究員が、いつか周りをギャフンと言わせるための野心的かもしれないゆるい記録

『巻き込む力 支援を勝ち取る起業ストーリーのつくり方』から、資金調達には相手の共感を得る重要性にうなずく。

今年度の仕事として、会社内でイノベーション創出に向けた、とある公募制度をトライアルしています。新しい研究のアイデアを考える上では、様々角度での検討が必要です。しかしながら、いよいよ最終的な発表の場に近づいてくると、内容に手を加える時間がなくなってきて、もはやプレゼン勝負になるのではないか?と思い始めました。そこで、この本が目の前に飛び込んできました。

巻き込む力 支援を勝ち取る起業ストーリーのつくり方

巻き込む力 支援を勝ち取る起業ストーリーのつくり方

2400円と、そこまで手軽な価格ではないにもかかわらず、なぜか本棚から手に取り、見入ってしまった。そして、1日だけ迷ったけど、結局買ってしまったのです。

著者

エヴァン・ベアー (著)

Able(エイブル)共同創設者。

エイブルは不動産屋さんではなく、スタートアップへの支援会社
www.ablelending.com

あんまり、日本語での解説ページがないので、そっけない紹介。。。

エヴァン・ルーミス (著)

f:id:demacassette:20170320232158j:plain

起業家、投資家、スタートアップメンター

出所:
Evan Loomis Books, Related Products (DVD, CD, Apparel), Pictures, Bibliography, Biography, Community Discussions and more at the Evan Loomis Store

たぶんこの会社の方
http://corinthianhealth.com/

あんまり、日本語での解説ページがないので、そっけない紹介。。。


津嶋 辰郎 (監修)

f:id:demacassette:20170320230714p:plain

大阪府立大学航空宇宙工学専攻修士。学生時に人力飛行機チームを創設し、鳥人間コンテストでは2度の優勝と日本記録樹立を果たす。その後、レーシングカーコンストラクターでは空力デザイナーとしてシリーズチャンピオンを獲得。半導体製造装置ベンチャーの創業・事業立ち上げを先導の後、iTiDコンサルティングに入社。国内大手メーカーの新規事業立ち上げ支援、新製品開発支援、風土改革のほか、イノベーション人材の育成プログラムを中心とした各種セミナーの実績を持つ。インディージャパンを設立。

出所:代表メッセージ | (株)インディージャパン / INDEE Japan Ltd. | イノベーションコンサルティング
参考
bizzine.jp


津田 真吾 (翻訳)

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早稲田大学理工学部卒業。日本アイ・ビー・エムにてハードディスクの研究開発に携わる。世界最小のマイクロドライブ、廉価型サーバーHDDなどの革新的なプロジェクトを数多く手がけ、技術的にも多くの特許を取得。保有特許は17件。iTiDコンサルティングにて新製品開発支援、イノベーションマネジメント、新規事業の支援などを実施後、インディージャパンを設立。

出所:代表メッセージ | (株)インディージャパン / INDEE Japan Ltd. | イノベーションコンサルティング



概要

この本のカバーの袖に書いてあること。

本書は、スタートアップの起業家が、投資家に対して行うべきアプローチ方法を指南するものです。プレゼン資料のまとめ方や、スピーチの方法も取り上げていますが、単なるハウツーを解説するものではありません。ビジネスアイデアや、起業にかける自分の思いをいかにして魅力的な「ストーリー」に仕立て上げるのかという、最も困難な作業を手助けする内容です。

 まさに、この文章がこの本の概略です。ただ、いざ最初から読もうとすると、謝辞や前書きが長く、そこに出てくる方々のことを知らない人にとってはつまらない前書きです。だから私は読み飛ばしましたw
 この本は初めから生真面目に読むというよりは、自身が知りたいと思った部分をその都度読めば良いタイプのものだと思います。

その読むべきと思ったポイントだけ記します。

ポイント1:ピッチ資料の構成要素

そもそもピッチとは何か?

 ピッチって、実はちゃんとしたものに参加したことはありませんw
だから、本当のピッチとはなんなのか、よくわかっていないのが実情です。調べてみると。

アメリカの南部に位置するシリコンバレーでは、日々新しいアイデアと人材のもと、数多くのスタートアップが形になって起業されています。そんな環境のシリコンバレーでは、起業を志す若手エンジニアたちが日夜熱いプレゼンを繰り広げており、そのプレゼンが投資家の心をつかむと、晴れて資金を得て新しいサービスやプロダクトが世に送り出されるというわけです。

投資家へのプレゼンを、シリコンバレーでは「ピッチ」と呼び、さまざまなピッチイベントが行われているのだとか。

careerpark.jp

というわけです。
ここで、プレゼンとのわかりやすい比較がありましたので、メモメモ。

プレゼンとピッチの根本的な違い

通常、会社の中でよく行われるプレゼンというのは、部門内やその上層部門に対して、やろうとしていることを説明するなりして、承認や意見をもらうことを指していることが多いとおもいます。どうやらピッチとは、プレゼンとは根本的に違うようです。

比較項目 プレゼン ピッチ
売り込むもの 新しい製品、サービス 新しい概念、アイデア
聞く相手 内容をある程度知っている専門家
または同業種
専門知識のない投資家
伝えるべきこと 製品の特徴、綿密な計画、
リスク対策等
やる意義、自身の熱意、
共感を得られるストーリー

つまり、ピッチとは投資家からいかにして資金を得て、起業につなげるかを問うゲートであり、聞く相手はある意味素人であるということです。ま、会社の経営トップに新しい事業を立案して説明するのも同じような感覚かもしれませんが、会社や組織の壁など関係なく、自身が良いと思ったら資金提供の可能性があり得るという点で、ピッチというのは、すごいサバイバルゲームなように感じます。

そういった、生存競争の中に、シリコンバレーの若者たちは身を置いているわけですね。。。

肝心のピッチ資料の構成要素は?

 では、これらの違いを踏まえて、ピッチ資料で盛り込むべき構成要素とはなんなのでしょうか。ここは転記します。

項目 概略 ポイント(何を示すか?)
概要
Overview
私たちは一体何者なのか? 明晰さ、迫力、情熱
機会
Opportunity
この市場では何が起きているのか? 爆発的な成長機会、
市場構造の曖昧さや混乱、
入念な準備
問題
Problem
何を解決しようとしているのか? 大きな問題と大きな市場、
深い理解(現状理解)、
顔の見える人
解決策
Solution
問題をどうするのか? 美しさ、驚き、
再現性と拡大可能性、
困りごとの解決、チーム力
トラクション
Traction
成功の証は? 高成長の予兆、
評価指標と選んだ証拠、
営業プロセス
顧客もしくは市場
Customer or Market
顧客は誰なのか?
そして何人いるのか?
顧客像、明確な市場、売上
競合
Competition
顧客にとって他の選択肢は? 業界知識、冷静な分析、
差別化、独自の優位性
ビジネスモデル
Business Model
収益はどのように得るのか? 一貫性、財務リテラシー
冷静さ
チーム
Team
このチャレンジをするのは誰か? 簡潔さ、
事業領域に関する知見、
情熱とチームワーク
調達資金の使途
Use of Funs
必要なものとその目的は? 明確な使途、
目標成果とマイルストーン

 多いですね。でもこれが重要なことです。
 実際のピッチ資料を見てきた人だからこれだけまとめられる気がしました。もちろん、他にもこうゆう類の本はあり、共通している項目もありますが、この本は、まとめ方が分かりやすかったので、つい即買いしてしまったのです。

「これさえ押さえておけば、間違いない!」というよりは、「これは最低限おさえておかないと、話になりませんよ」といった解釈の方が良いかと思いました。




ポイント2:ストーリー

 どんな資料でも、流れというものがあります。流れのない話は、聞いてて退屈ですし、場合によっては怒りさえ感じます。この流れというものが、ピッチ資料の場合は、ストーリーとして強調されるべきだと思います。

 なんとなく"流れ"ときくと、「今日はこんなこと話します。本日の構成です。。。」みたいに、いかにもつまらない講義が始まりそうです。

トーリーってのは、もっと挑戦的で、聞く相手が身を乗り出して聞きたくなる状態に導くものだと思います。だから、どんな資料でも必要でしょう。

鍵となるストーリー

 ここでは、ストーリーと言っても、いくつか細分化された要素があるようですので、それらをピックアップ!
実は、ここが非常に重要。

原体験ストーリー

 特に重要なのが、原体験ストーリーだと考えます。実は、私はこのトレーニングを一部だけ経験したことがあります。これは過去記事を参照(って、肝心の自身の原体験体験談を書いてなかったので、3月中に書きます)。

そして、本書では以下のように構成してはどうかとのこと。これだけ見ても重要性がわかりませんね。でも一応メモメモ。

原体験ストーリーの要素

  1. 普通の生活を過ごしています。世の中の問題にも気づいていません。
  2. 突如お告げがあり、冒険を始めないといけないような気になります。
  3. チャレンジを受けて立ち、行動に出ることを決断します。
  4. 行動に出たことで新しい目的に気づき、そのモチベーションが今日まで続きます。


 つまり、何かに突き動かされ、行動に出て、その中で新たなモチベーションが生まれたこと。
これが原体験として、相手に伝えるべきことです。これがない場合、「君がやる理由は?」とか「他の人がやったほうが早いのでは?」といった鋭い指摘を返せません。

「いや、断固として私がやるべきであり、私がやることでほかの人より良い結果を導きます!!!」
くらいの威勢が必要なのだと感じました。

顧客ストーリー

 ここからは、簡略に行きます。顧客ストーリーってのは、その名の通り、対象としている顧客が何をどうしてほしいかを感じさせるストーリーです。例えば、交通事故などで歩けなくなった人が歩けるようになったら嬉しいとかそういったことでしょう。

例えば。
www.cyberdyne.jp


業界ストーリー

 これも名前の通りです。突入する業界が、なぜ今のような業界構造になったのか、現状のプレーヤーが直面している問題、業界が変化しうる理由や萌についてを述べます。そこで、自身の提案が逆風の中を突き進もうとしているのではなく、追い風の中で羽ばたこうとしていることを伝えることです。


成長ストーリー

 先ほどの業界ストーリーから一歩進んで、実際に成長の証につながりそうなことを述べます。この時点ですでに簡単な実験や実績がある場合、その成功事例を述べ、次にもっと大規模でやれば、さらに大きなリターンが見込めるなどといった根拠とします。とにかく、聞く相手に期待を持たせることです。ただし、過度な期待とリスクの見落としには要注意でしょう。


さいごに

 わりとあっさりと本当に自分がグッときた部分だけ紹介しました。その他の要素も、もちろん重要ですが、私が今時点で最も苦戦しているのは上記2点だったということです。これをまずクリアできた時、その他の部分を参照するでしょう。というより、そのほかに紹介されている、資金調達の話は、今は全くついていけません。実践を伴って身につけていきたいものです。

 この本は、基本的には起業を目指している人向けに書かれていると思いますが、日々プレゼン資料を作っている("作らされている"というべきか)社会人の皆さんにも通じる部分があるかと思います。ピッチ資料は、作り込めば作りこむほど、明るい未来への扉が開く感じがしますが、プレゼン資料ってどこか後ろ向きな気がしますね。これを機に、さらに自身のミッションを整理し、仕事に励んでいきたいと思いました。

参考資料

「巻き込む力」だけでは勝ち進めない!実は、「巻き込まれ力」も重要らしい。
diamond.jp
記事から注目すべき文を引用

(中略)
 そして、より深く(若くして組織の高いポジションについている人や経営者になっている人たちに)インタビューをすることで、成長の達人が持つ「特に優れた力」が見つかりました。


 それは、「自分の好きな仕事だけを選んでやる力」ではありません。優れているのは、「与えられた仕事を好きにする力」だったのです。彼らは、異口同音で次のような話をしてくれました。


「天職に恵まれる人なんて、数千人に1人いればいいくらい。人はたいてい、与えられた仕事をやって行くもの。だから大切なのは、与えられた仕事を『好きだ』と思えるように働けるかどうかだ」と。


 では、どうやって“好き”に変えていくのかをインタビューしてみたところ、回答はおおむね次のようなものでした。


「とにかく、様々な機会に前のめりで巻き込まれて行くこと。『いやだなあ、いやだなあ』なんていつまでも考えていないで、『思い切り高い成果を出してやろう』と思って全力で取り組むべき」

 なんだか、いつの日かの自分に言われているような気がします。その頃は、なんとか目の前のことを全力でよくしてやろう!という気合がありました。その思いを取り戻さねば。。。。


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2017年2月1日購入