エリアマネジメントについて考えてみる その2(実践している団体の特徴)


エリアマネジメントについて学ぶシリーズ第二弾です。その1はこちら
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またしても叫ばれています、エリアマネジメントの必要性。今回は、実際にエリアマネジメントに取り組まれている団体や会社の事例を観察し、その特徴や課題を見てみます。

エリアマネジメント団体 TOP6!

とりあえずググってみて、目に止まったり知っている団体や組織を並べてみました。別に優れているとか結果が出ているとかという意味でのTOP6ではなくて、私が気になった6つです。世の中にはもっとたくさんのエリマネ団体があることは承知の上です。

渋谷エリアマネジメント

shibuyaplusfun.com

HPから基本情報を引用してみます。
<主体名>
渋谷駅街区エリアマネジメント協議会

<構成員>

<プロジェクト名>
渋谷のまちの魅力を駅前から発信する「SHIBUYA +FUN PROJECT」

<コンセプト>
「遊び心で、渋谷を動かせ」

<活動内容>
本プロジェクトでは、「遊び心で、渋谷を動かせ。」をキーワードに、渋谷のまちの魅力を高める様々な施策を実施して
いきます。本協議会ではこれらの施策をもとに、渋谷を訪れる人や渋谷に暮らしている人が、このまちを世界一と思って
いただくことを目指していきます。具体的には、2014年3月31日(月)に工事中の渋谷駅前の歩行者動線マップおよび渋谷の将
来像などの情報発信を行うウェブサイトを開設するほか、工事現場の仮設通路などの装飾により、渋谷のまちのにぎわ
いを創出します。


森ビルのタウンマネジメント

trendy.nikkeibp.co.jp
kenplatz.nikkeibp.co.jp
http://www.mori.co.jp/img/article/130424.pdf

<主体名>
森ビル株式会社 タウンマネジメント事業

<コンセプト>
街自体がメディアとしての価値を有する「街のメディア化」

<活動内容>
六本木ヒルズでは「タウンマネジメント」を運営の核として、個別の施設にとどまらず、街全体としての視点をもって様々な仕掛けや、情報発信を続けてまいりました。タウンマネジメントの取り組みは、世界から人・モノ・ 金・情報を惹きつけ、その集積が次の展開を生み出す六本木ヒルズの“磁力”の源泉となっています。この絶え間ない仕掛けと発信が六本木ヒルズの街ブランドを形成し、街自体がメディアとしての価値を有する にいたりました。この「街のメディア化」による運営原資が、六本木ヒルズの新たな挑戦、展開を支えています。
街のメディア化
ウンマネジメントを支える仕組みとし開業以来取り組んできたのが「街のメディア化」です。街を支えるパート ナーという位置づけの「コラボレーションパートナー」、メトロハットに代表される街全体を使った広告展開、ヒルズ カフェ/スペースというプロモーションカフェスペースの設置など、10 年間常に新しいメディアの開発と展開を実施 してまいりました。
ウンマネジメントからエリアマネジメントへ
さらに近年では、「タウン」から「エリア」へという拡がりも 10 年の間に育ってまいりました。その代表的なものが 「六本木アートナイト」です。六本木全体が年に一夜だけアート一色に彩られる「六本木アートナイト」は、 2009 年から六本木の街全体が一体となって取り組んでまいりました。2013 年 3 月の開催で 4 回目となった 本イベントは、回を重ねるごとに特に若い世代を中心に認知され、参加者が増え続けています。


黄金町エリアマネジメントセンター

www.koganecho.net

<主体名>
認定NPO法人 黄金町エリアマネジメントセンター

<活動方針>
平成20年の『黄金町バザール』は街の再生を視野に入れたアートイベントとして全国から大きな注目を集めました。この成果をふまえて、平成21年度は 『アートによるまちづくり』をテーマに、新たなNPO組織を立ち上げ、今後はイベント事業に加えて、新しい入居者の獲得や地域との連携など、日常的なまちづくりに関わる活動を強化しながら、「安心安全のまちづくり」を推進して行きます。新しい街の参加者となるアーティスト、ショップ経営者をはじめとして、 地域住民、警察、行政、企業、大学等、この街の再生という共通のテーマに取り組む人たちの橋渡しの役割を担いつつ、黄金町エリアの「アートによるまちづくり」という大きな課題に向かって、黄金町エリアマネジメントセンターは新しい一歩を踏み出します。


千葉県佐倉市ユーカリが丘のエリアマネジメント

town.yukarigaoka.jp

<主体名>
山万株式会社の「エリアマネジメントグループ」

<コンセプト>
「住民の声を聞き、その声を街づくりに活かす」

<活動内容>
エリアマネジメントグループでは、メンバーが年に3回ほど住民の皆様のお宅を一軒一軒訪問し、忌憚のないご意見・ご要望を賜ることで、よりよいサポート体制の構築に努めています。また、日頃から幅広く生活や住宅・環境・街づくり等に関するご相談を承っており、ユーカリが丘住民の御用聞き・街のコンシェルジュとして活躍しています。さらに、少子高齢の時代にも配慮し、子育て支援施設や高齢福祉施設、独り住まいの方へのライフサポートも行っています。
住まいや街づくり、暮らし全般に関して、何でもお気軽にお話ください。

<構成員>
山万の「エリアマネジメントグループ」の3名


梅田地区エリアマネジメント実践協議会

umeda-connect.jp

<主体>
梅田地区エリアマネジメント実践協議会

<構成員>

<活動方針>
梅田地区で大規模施設を運営している4社が連携することで、エリア全体の競争力、集客力、地域力を高め、梅田地区の持続的な発展をめざします。さまざまな側面からのエリアマネジメント活動を先行的・実験的に「実践」していくことで、梅田地区の更なる魅力の向上を図っていきます。

<活動内容>
コンセプト1.「駅から拡がるまちづくり
(例)梅田ゆかた祭
JR大阪駅の北側にある「うめきた広場」において盆踊りを開催。地元の方や来街者が一緒になって駅前で踊りました。

コンセプト2.『歩いて楽しいまちづくり
(例)オープンカフェ・バナー広告
グランフロント大阪の南館と北館を東西に横断する「けやき並木」では公道上を利用した全国で3例目のオープンカフェ、バナー広告による賑わいづくりが行われています。

コンセプト3.『新しい時代のまちづくり
(例)WEBサイト「UMEDA CONNECT」運用
当WEBサイト「UMEDA CONNECT」を通じた梅田全体の情報発信を積極的に行っています。


北九州家守舎

www.yamorisha.com

<主体>
株式会社 北九州家守舎

<活動方針>

  • 北九州市内の遊休不動産解消の為、リノベーションを通じたまちの再生を行う
  • 遊休不動産活用事業を通じて、北九州市内で新しい事業の創出を行う
  • 遊休不動産活用事業を通じて、まちで継続的に事業を生み出す事の出来る人材を育成する
  • 上記3つを含む、市街地の真の価値向上のため、エリアマネジメント事業を通じて、小倉魚町をはじめとする北九州市内の中心市街地の回遊人口を増やし、30年先も歩いて楽しいまちになることを目指す

<バリュー>

  • 既成の建築・不動産業の価値観にとらわれることなく、常に新しい価値を生み出すために挑戦し続ける
  • 一時的な金銭的利益を追求することなく、真に小倉魚町をはじめとした北九州市内のまちの発展に寄与する事を最優先に考える

まとめ

それぞれ地域が違うので、エリマネ団体が出来た経緯や活動方針が違うのは当たり前ですが、それがまた良いですね。

商業エリアを含むマネジメント

 渋谷や黄金町、梅田のエリアマネジメントは、かなり大規模な団体ですね。例えば、渋谷で言えば、日本の代表的なまちをマネジメントするのですから、様々な利害関係者が存在するのは事実でそれが反映されている感じですね。渋谷っていつも工事しているイメージがあり、利用者にとっては不便なことが多いという状態を少しでも改善するためのイメージアップ活動が含まれていることが興味深いです。また、黄金町もかつての売春街という悪いイメージからの脱却も含めて活動されているのが面白いですね。過去は消せませんので、過去の出来事をうまく現在の手法で取り込んでまちの価値向上を目指しているように思います。一度行ってみたい。

民間企業のエリアマネジメント

 森ビルさんは企業としてタウンマネジメントを行っているところが参考になります。これは山万さんも同じですね。企業がやる以上は、それ相応の見返りを見込んでいると思いますが、ある程度中長期の回収で良いというスタンスでなければやっていけないでしょうね。そのあたり、どう折り合いをつけているのか、いつか聞いてみたいです。

担い手育てを兼ねて実践者探し

 北九州家守については、リノベーションスクールなどを仕掛けているメンバーが立ち上げた最初の活動母体ですよね。リノベーションスクールというチャレンジングな企画をゼロから作り上げて、実際にまちに落とし込んで今も実践しているという点で、日本のまちのリノベーションの最先端事例だと思います。こういった動きは、他の地域でも広がりを見せていると思います。
 ただ、いわゆる大手デベとか建設会社がこのような動きをやりにくいのが悔しい。そこには社内での阻害要因があるように思います。森ビルさんとかどう進めているのかな。改めて気になります。



以上、長々と書き連ねましたが、世の中は時事刻々と進んでおり、全国津々浦々の取り組みや活動が日々行われているんだと思います。こういった活動をしている人って、かなり類は友を呼ぶ状態にあると思うので、いつかお会いできると思って、これからも地元での活動を進めていきたいと思います。