特定非営利活動法人と一般社団法人の違い1(法人格になる目的って?)
突然ですが、最近知ったことなので記します。タイトル通り、この二つってどう違うの?ってな話です。
demacassette作
両者ともぶっちゃけ世間的にはいまいち良いイメージがないと思います。怪しい宗教団体というイメージでしょうか?
特に一般の企業にお勤めの、いわゆる良い大学出て、いい企業に入って、企業内でせっせと仕事しているだけの人には、得体の知れない団体として認識されていると思います。しかしながら、このような団体から社会が変わっていくことも往々にしてあるという実感の元、これらの団体の意義と違いを少しだけまとめておきます。現時点で必要な範囲で。
0.まず、法人格ってなに?
〜〜法人ってのは、いったいなんなんでしょう。その名の通り、「法的に人と扱うもの」という解釈で良さそうです。
法人格を取得する最大のメリットは次の通りだと思います。
- 社会的信頼を得やすくなる
- 個人にしわ寄せが集中しない
- 給与、報酬を設定できる
一方で、法人格を取得するデメリットは、
- 設立時の条件の満足、初期費用の捻出が必要
- 煩雑な手続きや維持費が発生
- 報酬ありの場合、社会保険料等の福利厚生まで面倒をみる必要あり
ざっくり言うとこんな感じでしょう。参考記事は、個人事業主との比較をされていますが、法人格を取得する大きな分岐点はここにあります。個人でやり続けるなら別に法人格入らないけど、規模は大きくしたいしスタッフも雇いたいとかなると法人化が視野に入ってくる感じでしょうか?私は個人事業主の経験はなく、NPO法人の報酬なしスタッフなのですが、周りの人を見ていると、確かにこの分岐点はあると思います。
1.特定非営利活動法人(NPO法人)とは
これをこのまま解釈すると、「特定のことに対し、営利目的ではない、活動をする法人格団体」ということになります。詳しくは以下のサイトを参考に。
www.jnpoc.ne.jp
この中にある回答として、
‘NPO’は、‘Nonprofit Organization’の略で、直訳すると「非営利組織」となりますが、意味を正確に伝えるためには、「民間非営利組織」と訳すのがよいでしょう。
とあります。また、次のようにNPOと呼べるのは別に法人格を取得してなくてもいいらしいです。
NPOの範囲は?
特定非営利活動促進法がNPO法と略称で呼ばれているため、NPOはNPO法人格を取得した団体(特定非営利活動法人、通称NPO法人)のことと思われることが多いようです。しかし一般にNPOという場合は、こうした狭い意味ではなく、法人格の有無や法人格の種類(NPO法人、社団法人、財団法人、社会福祉法人、協同組合など。時には実態としては非営利の活動を行う営利法人も含む)を問わず、民間の立場で、社会的なサービスを提供したり、社会問題を解決するために活動する団体を指します。NPOのうち、特に市民によって支えられているものを「市民活動団体」ということもあります。また、組織に関わる人のほとんどがボランティアで構成されている団体を「ボランティア団体」ということもあります。
確かに、「NPO法人の⚪︎⚪︎です。」というためには法人格がないといけないでしょうが、「NPO活動やってる□□です。」というのもありですね。ここで見逃したくない大事なポイントは"特定"という言葉です。NPO法人は、特定の事業に対する非営利活動を行うことを宣言することにより法人格を得られるもの、ということらしいです。(そう解釈してます)
このページによれば、申請できる活動内容は以下の通りです。
- 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
- 社会教育の推進を図る活動
- まちづくりの推進を図る活動
- 観光の振興を図る活動
- 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
- 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
- 環境の保全を図る活動
- 災害救援活動
- 地域安全活動
- 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
- 国際協力の活動
- 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
- 子どもの健全育成を図る活動
- 情報化社会の発展を図る活動
- 科学技術の振興を図る活動
- 経済活動の活性化を図る活動
- 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
- 消費者の保護を図る活動
- 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
- 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動
以上、20種類!!多いな。。そして、「特定非営利活動とは、これらの20種類の分野に該当する活動であり、不特定かつ多数のものの利益に寄与することを目的とするものです。」とされています。別にこの活動をしているだけで十分であれば、法人化する必要はありません。NPO法人として登記する必要が発生した際、上記のどの活動に当てはまるのかを十分議論し総意を得た上で、所定の書類を所管庁に提出して法人格が取得できるといった流れです。このあたりは、次回一般社団法人と比較しつつ詳しく書きます。
2.一般社団法人ってなに?
次は一般社団法人についてです。これはNPO法人よりもさらに身近ではなくなるので、さっぱり得体が知れない人もいると思います。実際私もはっきりと正体がつかめているわけではありません。だから、こうやて勉強しているのです。
www.moj.go.jp
NPOと同じようにQ&Aがありますね。やっぱりみんなに浸透してないんだ。。。
www.koueki-houjin.net
ここは実際に一般社団法人を設立するための相談窓口のようですね。ここによれば、
一般社団法人とは、営利を目的としない非営利法人で、人が集まって初めて法人格を取得することができます。
一般社団法人は、人が集ることによって法人格が与えられますので設立のための要件として、2名以上の人(社員)が必要になります。
なお、一般社団法人は、必ずしも「公益」を目的とする事業内容である必要はありませんので、基本的には自由に事業を行うことができます。 例えば、「収益」を上げることを目的としても、法人内部の「共益」を目的としても構いません。
また、法務局への登記のみで設立することができるため、さまざまな活動を行うための法人格として活用されることが予想されます。
設立基準は次回述べますので無視したとして、一般社団法人の概要としては、ほぼNPO法人と変わりませんね。活動内容が特定されていない分、はっきりいって何やっても良い!けど、利益を第三者に分配しないで自分のところの運営資金として使ってね、といった感じ。・・・これってNPO法人より身軽じゃないか??
3.まとめ
もうまとめ?って感じですが、知れば知るほど書きたいこと多くなってきたので強制終了です。とりあえず「得体の知れない団体」から「営利目的でない活動母体」という程度の理解は深まったかとおもいます。簡単に概要だけ比較するとこんな感じかな。
名称 | 特定非営利活動法人 | 一般社団法人、一般財団法人 |
---|---|---|
管轄 | 内閣府 | 法務省 |
設立日 | H13.10.1 認定特定非営利活動法人制度の創設 | H20.12.1 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 |
主目的 | 社会活動を行う上で任意団体では法律行為ができないという不具合を解消するため | 法人格の取得と公益性の判断を分離し自由で自立的な活動を促進するため |
認証数 | 50,497件(内閣府NPOホームページから) | 10,981件(公益法人データベースから一般社団法人を抽出) |
一旦こんな感じ。