重箱の隅をつつく研究より新しい重箱を創る研究をしたい


「重箱の隅をつつく」とは、故事ことわざ辞典によれば

重箱の隅をつつくとは、どうでもいいような細かいことばかり取り上げて、口うるさく言うことのたとえ。

らしい。この意味は、現代でもほぼ間違いなく使用されているのではないでしょうか。この言葉を投げかけられたとしたら、はっきり言って嫌な印象しかありません。しかしながら、「自分はどうやら、どーでもいいような細かいことばかりにこだわっていたのだなぁ。気付かせてくれてありがとう!」と指摘してくれた人に感謝状を贈るべきかもしれません。そう思えるようになれば、ワンランク上の大人になれたと思って良いのではないでしょうか。

 

そして最近、研究を仕事として行っている上で、つくづく強く意識して考えさせられることがあります。それがタイトルの言葉です。

重箱の隅をつつく研究より新しい重箱を創る研究をしたい

この言葉が表現として正しいかはわかりませんが、結構気に入って多用している言葉です。ほぼ私のオリジナルだと思っていますが、起源としては以前通っていた大学院での先生方から影響を受けています。詳しくは別途記載。

 

よく日本ではイノベーションが起きにくいとか言ってますが、これはまさに研究なり仕事の中身が重箱の隅をつつくものになりまくってるからだと思っています。自分の考えの整理のために図で解説してみます。

 

1.重箱の中に隙間がたくさんある

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=満たされていないものを作って提供する時代。

 (顕在化している要求を解決する製品をつくれば良い状況)

 

2.徐々に重箱が埋まってきた

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=ある程度利便性が向上し、結構欲求が満たされてきた時代。

 (製品の性能が向上し、価格も洗練されてくる状況)

 

3.重箱が埋まってきて隅しか空いてない

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=ほとんどの欲求は満たされ、欲しいものは手に入る時代。

 (性能に大差がなく、価格競争と機能詰め込み競争に陥る状況)

 

20世紀はまさにこの時代だったと思います。その時代を経て、今求められているのはイノベーション!つまり重箱を創ることだと思います。

 

4.新しい重箱があったらいいなぁ

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=新市場の登場を望む時代。イノベーションへの渇望。

 

資源、もの、金が蔓延し、社会が飽和している時代になれば、それを打開する策がないとどうにも思考停止になることはわかりきっています。だからこそ、昔ながらの企業体質で突き進むことが多い日本の老舗企業は、変革しなければならない。そのはずなのに、それができない人もいる。自分の体験や経験を正当化し、自己を否定されたくないがために、他者を否定し出る杭を打つといった愚行に陥ってしまうのだろう。これはある意味仕方ないと捉えて、出る杭となるべく人たちは、その覚悟を持って様々な角度でアプローチしていくしかないのだろう。イノベーションを起こす人は、きっと一度や二度の出る杭打たれハンマーで打たれても、くじけないはずだ。だから私もガンバろー!!

なぁんて思う今日この頃です。

 

 

参考に「重箱の隅をつつく研究」でググった時に出てきた世の中の意見を羅列しておきます。

NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: 論文が読まれなくなっている!?・・・研究のカプセル化

 

こんな人もでてきた

ジャン・デュドネ - Wikipedia

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Wikipediaから引用

〜純粋数学には貴族理論と奴隷理論があり、神に選ばれた絶対的な崇高なる貴族理論に奉仕するのが数段劣る下劣な奴隷理論であると定義し、しかも元は貴族理論であっても理論が完成したり多分野との交流がなくなったりしてめぼしい問題がなくなり、重箱の隅をつつくような細かい研究に没頭するようになればやがて奴隷理論に堕するものデュドネはいう。これによれば真新しいアイデアや理論を創造できる研究者は一部の絶対的存在である選民であり、この選民に該当する数学者は18世紀に8人19世紀に30人20世紀ではほぼ毎年一人と大目に見積もっても全体で約150人程度にすぎず、定理や理論の価値が判断できるのもまたこの選ばれし階級の数学者のみであると言った。〜

これみると、イノベーションなんてとても簡単なものではないと感じさせられますな。

 

でもやるしかない!

世界を変える!!未来を変える!!! 

そう言い聞かせて研究や活動に打ち込むと決めたからには!

 

以上、ちょっとした決意新たに決意表明でした。